CT検査〜 computed tomography:CT 〜
CTとは…
computed tomographyの略で、画像診断の上で欠かせない検査の一つ。X線を用い画像を構成する装置。
CT仕組み
ドーナツ型の装置の中央に体を置いて検査致します。
CT装置内の管球と呼ばれる機器が体の周りを回転しながら、X線を照射します。
その対にある検出器と呼ばれる機器が体の組織によるX線吸収の違いを読み取ります。
そのデータをコンピュータで解析して、様々な画像を作り出しています。
現在よく耳にするのがマルチスライスCTですよね。
2列、4列、16列、64列、128列etc
これは検出器の数を表しています。検出器が多いほど、細かな体のデータの収集が可能。しかも、一回の呼吸停止時間が少なくて済み、短時間で終わる。(注意:検査項目により多少検査終了にはバラツキが……)
CT画像例 | |
頭部 | 腹部 |
CTの注意点
- 心臓ペースメーカー、植込み型除細動器(ICD)を装着しているか確認を取ること。
(誤作動を起こす可能性がある。照射時間が長いと誤作動を起こす可能性があるみたいです。これを装着してるからCTは禁とはならない。) - 妊娠してる人、妊娠の可能性のある人
(胎児に悪影響を及ぼす恐れあり。)
上記2点は、検査受けさせる上での重要なチェックポイントです。確認しましょう。
CTの看護師の役割&前処置
- 必ず、患者のわかる言葉で検査の内容を説明。不安を取り除くことが重要。
- 造影剤使用のCT、腹部CT検査では原則として1食分欠食。水分も禁止などとしている施設をたまに耳にするが、水分摂取は問題ありません。
- 骨盤腔CTで膀胱に疾患が疑われる場合、溜尿が必要とされる。
- 付属物は取り除く。金属類は画像に影響を及ぼす。(画像ノイズ大)
シャツで金属のついていないプラスチックボタンなどは、画像作成の妨げにはならない。
CTの看護師の役割&前処置
造影剤は、病変をより詳しく調べるために使います。簡単に申し上げると、病変部のコントラスト異常&時間的造影効果の変化等で病変を詳しく見ています。
造影剤はほとんど尿として排出される。
造影剤使用時の問診&同意書
造影剤は副作用があるため、必ず、問診時に下記ののチェックを行うこと。
【チェックリスト】
- 過去の造影剤の使用例。その時副作用ありかなしか。
- 気管支喘息、花粉症、食物・薬による過敏性、アトピー体質。
- 腎臓病(Cr.値は必ず調べておくこと)、糖尿病、甲状腺などの病気がある。
- 経口糖尿病薬を服用しているか。
- 妊娠してる、妊娠の可能性のあるか。
副作用について充分な説明
副作用については充分な説明をしておかなければならない。
【主な副作用】
- 吐き気
- かゆみ
- じんましん
- 血圧低下
- 呼吸困難
- 遅発性副作用(風邪のような症状、じんましん等)
造影剤CT検査の看護師の役割
- 必ず、患者のわかる言葉で検査の内容を説明。不安を取り除くことが重要。
- 問診&同意書のチェック。担当医師より副作用の説明、問診がなされているか。そして、造影検査の同意書が書かれているか。
- 急速静注中、患者の状態に変化はないか、皮下中に漏れはないかチェック。
- 造影剤排出の効果を上げるため、充分な水分補給をすることを説明する。
【造影剤の血管外漏出の予防】(勤務病院マニュアル)
- 20〜22Gの留置針を用いること。
(翼状針はルアーロックできないものも多く、早い造影剤の注入に伴う針先の振動のために血管を傷つける危険性が高いので、使用は避ける。) - 望ましい穿刺部位は右肘前静脈中央部。やむをえず細い静脈から注入する場合には、高速注入は避ける。
- 良好な静脈に少なくとも13mm挿入し、速い血液の逆流が認められることを確認する。
- 留置針が動かないようしっかり固定する。
- 患者様に、注入時に痛みや異変を感じたときは速やかに告げるよう指示する。
- 局所的な痛みや腫脹などの血管外漏出の兆しが見られたら、即座に注入を中止する。
知っておこう!!
造影剤の血管外漏出によってどういう症状がでるのか…
造影剤を肘静脈などから注入するが、針先が完全に血管内にはいっていない場合や、注入中に針先がずれた場合などに造影剤は血管外に漏出する。造影剤は非イオン性であっても浸透圧は体液の2倍以上であることが多いので、患部に腫脹、疼痛、水痘などが発現する。さらに漏出した造影剤が大量であれば、皮膚壊死やコンパートメント症候群のような重篤な障害が生じる可能性がある。
(*コンパートメント症候群:四肢において筋肉、神経、血管は筋膜という強靭な結合組織で囲まれた区画「コンパートメント」の中にある。この区画内の圧が何らかの原因で常に上昇した結果、区画内の筋肉・神経組織が虚血性壊死に陥り、機能障害をきたす。これをコンパートメント症候群という。)
【造影剤の血管外漏出の処置】(勤務病院マニュアル)
- 漏出量が比較的少ないと判断される場合には、漏出のみられた四肢を心臓より高く挙上し、冷罨法(氷嚢)を行う。その後に経過によって消炎鎮痛薬、ステロイド薬を外用あるいは内用で使用する。
- 漏出量が比較的多い場合、1)で述べたような保存的処置で対応できるかどうか皮膚科医に相談すること。腫脹、硬結が強くみられ保存的治療できない場合、速やかに減張切開を行う。とりあえず保存的処置で対応した場合でも、コンパートメント症候群をきたせばただちに減張切開を行うこと。